「性教育っていつからやればいいの?」
これは特に保護者の方から本当によく聞かれる質問です。
結論から言うと、性教育は“今から”できます。
そして、
実は赤ちゃんの頃から始めるのが理想だとも言われています。
性教育と聞くと
「大人になってから学ぶもの」
「思春期になってからで十分」
と思われがちですが、
性教育の本質は“自分の体は自分のものだ”という
認識や権利を知ることで
自分の体を大切にし、相手を尊重し、自分で選ぶ力を育てていくことです。
だから、
いつから初めても早すぎることはないですし
思い立った”今”が一番早い時期なのです。
仮に、性教育を始める時期を選ぶとしたら
『3歳ごろから』
始めることを、私はいつもオススメしています。
ここで注意して欲しいのが、これは
3歳未満では何もできない&やっても意味がないというわけではないし、
3歳を過ぎたら手遅れということでもない
ということです。
なぜ3歳からなのか?というと
・トイレが自立するようになり体の仕組みを理解しやすくなってくる
・目で見たものを認識して質問できるようになる
・大人が言ったことを認識する力が高まってくる
・会話のキャッチボールができるようになってくるので、やりがいを得やすい&楽しい
・ただしまだ1回で全てを理解できるほどではないので、何回も伝えることで親が話すことに慣れてくる
ということが理由です。
3歳からの理由はつまり、『やりやすいから』ということです。
1つの目安として、参考にしてみてください。
もちろん、子どもの年齢によって、
伝えるべき内容やアプローチ方法は少し変わります。
では、具体的に“いつから”どんなことを意識して伝えればいいのでしょうか?
幼児期には
「プライベートゾーンの話をする」
「子どもの体を子どものものとして扱う」
といった、日常の中でできる性教育がたくさんあります。
子どもが小さければ小さいほど、
子どもの体に大人が介入しなければならない場面は多いです。
そんな時、ケアをする側だからといって
問答無用に子どもの体を扱ったり無理やりしたりするのではなく
「ちょっと見てもいい?」「触ってもいい?」など
子ども自身に体を尊重する姿勢が日常にあることで伝わることがたくさんあります。
子どもの体を当たり前に尊重する環境があることで、
自分の体を大事にする土台作りとなり、トラブルや被害から身を守る力にもなります。
小学生になると、
幼児期よりも理解力が深まり、
物事を把握し考える力や物理的な理解もしやすくなってきます。
また体の変化・第二次性徴を迎えてくる時期でもあります。
体の変化について、話題を避けるのではなく正しい知識で答えることが大切です。
第二次性徴の知識は、”その時”に話そうとするのではなく
”前もって”伝えておき、子どもが困りそうなこと・不安になりそうなことについて
先回りして対処を教えておくことが、子どもの安心に繋がります。
中高生は、
仲間や友達、恋人との関係がより深く強くなっていく時期です。
心配なことや伝えたいことはたくさんあっても、
なかなか聞いてくれないこともあるかもしれません。
ここで大事なのは、”全てを親が直接伝えなくてもいい”ということです。
子ども自身、文字を読んだり動画を見たり、自分で情報をとっていけるし、
情報があふれた社会でもあります。
信頼できる情報がどこにあるのか、の道しるべを示しておくことだけでも立派な性教育です。
そして忘れてはいけないのが、『いざという時に相談できる関係性』を保っておくこと。
常になんでも話せる関係を目指すのではありません。
普段あまり話してくれなくなったり、距離ができたりしても大丈夫。
いざという時に相談できるか?は日常の関りや態度から判断しています。
親の意見の押し付けが強かったり、いつも性をタブー視する態度をとっていると
「相談しても助けてくれない」という認識になりやすいです。
子どもから見て、相談しやすい大人に自分がなれているか?
一度振り返って考えてみてください。
性教育は、年齢に合わせて“積み重ねていくもの”。
そして今日が、性教育を始める一番早い日です。
難しいことからじゃなくて大丈夫。
まずは子どもとの日常の会話で、子どもの体や意見を尊重するところから始めてみませんか?